ゴルフオーナー吉田 匠 新型ゴルフVI最終評価

ダイナミックな性能はゴルフV譲りの高水準

さてゴルフVI、ドライビングインプレッションに話を進める前に、ひとつ明確にしておきたいことがある。それは僕が2004年暮れから今日まで3年10ヶ月、4万5000km弱のあいだゴルフVのGLiに乗り続けてきたユーザーだということだ。つまりこれは、現役のゴルフVユーザーがゴルフVIに乗ったらどう感じるか、というリポートでもある。

おそらく久しぶりにゴルフをドライビングしたのではないかと思われる同業者が、「新型はなんとハンドリングがいいのだ」とか、「実によく脚が動く」とか、「とても安定感が高い」とか感心しているのをよそに、僕はむしろ冷静にその挙動を検証していた。ひとことでいえば、「ハンドリングやロードホールディングやスタビリティに関する限り、ゴルフVと特に変わっていない」、というのが僕のインプレッションだった。表現を変えれば、ゴルフVの時代から走り、つまりダイナミックな性能は非常に優れていたのである。

そのことは、後にエンジニアとの質疑応答で立証された。サスペンション設計が担当のエンジニアは、ゴルフVIのサスペンションはそのアーム類の構成、ホイールストロークを含むジオメトリー、それにベーシックなブッシュ類に至るまで、ゴルフVと変わっていないと、実に正直に断言したのである。ゴルフVのダイナミックな性能の高さに関して普段から機会あるごとに感心していた僕としては、まことに嬉しい限りであった。