【甘かった計画、重すぎた現実】消えたオペル。日本再上陸計画が“ほぼ白紙”に戻った背景に何があったのか？

オペル グランドランド

コロナや円安、中国車の営業で日本導入は白紙状態に

この点について、ある業界関係者は「オペルの日本市場再参入は白紙状態となっているとみて間違いない」と指摘します。

「およそ3年のあいだ続報がなく、日本語の公式Webサイトもすでにアクセス不可能となっている状態です。

こうした状況から、オペルの日本市場再参入は取りやめになったものと考えられます。

ただ、それは妥当な判断だと思います。

たとえば、日本市場への導入が発表されていたコルサは、欧州では人気の高いBセグメントのハッチバックですが、その生産工場はスペインにあります。

日本市場再参入が発表された2020年と現在では、新型コロナウイルスやロシアによるウクライナ侵攻、あるいは為替変動などによって市場環境が大きく変わっています。

なかでも円安の影響は特に大きく、コストパフォーマンスに優れるというオペルの魅力を完全に打ち消すものとなっています。

たしかに、かつては高い人気を誇ったオペルですが、フォルクスワーゲンやフィアット、あるいはプジョーやシトロエンと比べると地味な印象がぬぐえません。

また、BYDやヒョンデといったアジアのブランドも進出しているなかで、オペルの勝機は薄いと判断されたものと考えられます」