新型ブーン/パッソ試乗。企画からダイハツ担当で完成度はどうなる?
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:望月 浩彦 1
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正直いうと、ここをわざわざ読んでいただいているクルマにアツい方々に、新型ブーン/パッソをオススメしようとは思わない。
ただ、あえて擁護するなら、安全装備をなにより重視する向きには、現時点でブーン/パッソが最有力だろう。ダイハツの自動ブレーキシステム“スマートアシストII”はトヨタ製のセーフティセンスCに準じる内容で、対車両なら100km/h以下で反応して、歩行者や車線逸脱も検知・警告する。サイド&カーテンエアバッグも全グレードに装着可能だ。
スズキのイグニスやソリオの自動ブレーキシステム(デュアルカメラブレーキサポート)もダイハツと同等以上の機能(たとえば対歩行者でブレーキが作動するなど)を持つが、側突系エアバッグが選べないグレードが一部に残る。また、マーチは(日産なのに)そもそも自動ブレーキの用意がなく、側突系エアバッグの選択肢も限定的。三菱ミラージュは側突系エアバッグは全車装着可能だが、自動ブレーキは車両限定かつ低速でしか効かない。
ブーン/パッソは視界性能や車両感覚に対しても真面目である。今回はボンネットの見切り性にひと工夫があるし、地味な話だが、リアワイパーの払拭面積も広い。最近のハッチバックのリアワイパーは「ついてりゃいいんでしょ!?」的なテキトーな代物が多いが、ブーン/パッソのそれは、支点をオフセットして、できるだけ広く拭き取る工夫が見られる。それに、リアウインドウそのものも大きい。
ダイハツはこういうところが真面目だからこそ、なおさらシートや操縦性の仕立てが歯がゆいのだ。ブーン/パッソはトヨタのエントリーモデルでもあり、なんだかんだいって、市場での影響力は小さくない。だから、こういうクルマでこそ、白物家電的なあきらめを意地でも否定しないと、日本の自動車市場は本当にジリ貧になると思う。
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