500アバルトに海外試乗! サソリの猛毒にやられた
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:FCAジャパン
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フィアット500アバルトは見た目で、そして走りで、大いに惹き付ける1台である。伝統をレトロ趣味で再現するのではなく、現代的に昇華させて新たな魅力を付与したデザインは、本当に脱帽モノ。イタリア人のセンスと仕事ぶりが、小さなボディの中で炸裂している。クルマとのこの上無い一体感を味わえる走りも、期待をはるかに超えるものだ。絶対性能では、これを凌ぐライバルもあるかもしれない。しかし、ことドライバーを歓ばせるという意味においては、これ以上の選択肢はライバルの中ではちょっと思い浮かばない。
サイズが小さいだけに街中での使い勝手も抜群。余裕ある動力性能は、高速移動でも痛痒(いたがゆ)感を抱かせることは無いだろう。ただし、硬くハネる乗り心地、狭い車内で身体をさらに拘束するスポーツシートなどは、普段使いではネガともなりうるかもしれない。とはいえ、そもそもそうした要素を重視するならアバルトを選ばなければいいだけの話。それらは、このクルマの評価を下げる要素にはならない。
そうなると、あと気になるのは導入時期、そして価格ということになるのだが、今のところ分かっているのは、日本での販売が始まるのは来年夏頃だろうというくらい。価格についてはヨーロッパでの1万8500ユーロという車両価格が参考になりそうではあるが、これをそのまま円換算すると300万円を超えてしまう。過去のアバルトを知る人だけでなく、若い世代にもアピールできるクルマだけに、戦略的な価格設定を期待したいところ。あるいは来年までに、円高ユーロ安が進むのを祈るべきだろうか?このフィアット500アバルト、思わずそうしたくなるほど魅力的な1台なのは間違いない。
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