新型M5、最速スーパーセダンがさらに刺激的に
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:BMWジャパン
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通算5世代目となる新型BMW M5の最大の注目点と言えば、先代のV型10気筒5リッター・ユニットに代わって搭載されたV型8気筒4.4リッター直噴ツインターボ・ユニットだろう。最高出力560ps、最大トルク680Nmというスペックは、先代に対して53psと160Nmの大幅アップ。0-100km/h加速は4.4秒、最高速は305km/hに達する。
先代のV10ユニットは最高出力を7750rpmで発生する典型的な高回転高出力型で、5リッターの排気量が信じられないような勢いで吹け上がり、パワーを文字通り絞り出す快感を味わわせてくれた。新型はそれとは違って、圧倒的なトルクで押し出す刺激が強烈。ゼロ発進で身を捩らすように蛇行しながら飛び出していく様は、これもまたアドレナリンをドバドバと放出させる。
その後の加速の伸びも凄まじい。あまりの大トルクに不安になるほどの変速ショックを感じるも、構わず踏み込んでいくと、質量があるだけに加速感は数値以上に感じられる。そして実際にも、200km/hオーバーの領域でも尚、アクセルオンで背中がシートバックに押し付けられるのだ。最初、掌には汗がにじみ、その後には流れる景色のあまりの速さに笑いが止まらなくなる。
速い。凄まじく速いが、しかしその分、まるでモーターのように緻密な機械を操るよろこび、突き抜けるような快感は薄まったのも事実。どう踏んでも速いから運転の工夫の余地もその意味では多くない。しかし単なるトルク型とはせず、上は7500rpm近くまで伸び、回すほどにパワーが高まる味付けが残されている辺りは、M社の意地だろうか?
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