308GTi by プジョースポール試乗。プジョー史上最強ホットハッチを詳細レポート
掲載 更新 carview! 文:河村 康彦/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:河村 康彦/写真:篠原 晃一
ハイチューンであるゆえに、そのトルク特性がある程度ピーキーになるのは仕方がないか……と、そんな事前に抱いていた覚悟と危惧は、見事に外れることになった。極端なハナシ、アイドリング+αというポイントでクラッチミートをしても、このモデルは難なくスタートをした挙句、そのままトコトコと走り始めてしまう。
すなわち、街乗りシーンでも神経質な感覚は微塵もなく、ごく低回転域から実用的なトルク感が味わえる。フットワーク・テイストはさすがに硬いが、動力性能面は実用車としても十分満足出来るキャラクターの持ち主であるということだ。
一方で、”強心臓”を搭載するゆえの真価はもちろん、アクセルペダルを深く踏み込んだシーンでこそ明確。過給音の高まりと共にトルク感がグンと盛り上がり、自慢のバケットシートへと背中が強く押し込まれる感覚は、高ブースト圧が実現された”スポーツターボ・エンジン”の持ち主ならではだ。
感心するのは、たとえ低いギア位置でフルブースト状態に至っても、前輪がしっかりと路面を捉え続けて優れたトラクション能力がキープされると同時に、目立ったトルクステア感が現れないこと。フロントアクスルが暴れる気配もなく、こうした挙動が実現されるのは、新開発された骨格を備える308の基本性能の高さに加え、前述トルセンLSDも大きな効果を発揮していると考えられる。
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