空気が読めてるスマート クーペ&カブリオに試乗
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:荒川 雅臣(国内)、メルセデス・ベンツ日本(アメリカ)
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:荒川 雅臣(国内)、メルセデス・ベンツ日本(アメリカ)
10年前にはあれほど特異に見えたスタイルは今や、すっかり違和感を払拭してそこにある。それは図らずも時代とともに我々の目が変わったからで、スマートは相変わらずスマートであり続けている。たとえ全長が180mm伸び、全幅が45mm広がり、ホイールベースが55mm伸びても…。いやむしろ現代の自動車はほぼ全てが拡大路線を歩み、コンパクトカーすら巨大だから、スマートの“比率”は不変だとも言える。安全基準に則った上で居住性も乗り心地も向上したのだから、悪いことはない。
スマートをスマートたらしめているのは、何よりそのデザイン。ボディ骨格をそのままデザインの個性に活かし、ツートーンで塗り分けることで見事にアイコン化したエクステリアと、スウォッチの香り漂っていたポップなインテリアは、サイズの拡大を表現の豊かさにつなげている。内外装ともまるでガジェットのようなスマートだけに、搭載するオーディオがラジオとiPod接続だけなのも、時代の空気を読んでいる感がある。今や勝ち組とさえいえるスマートの存在意義にこの見た目や装備を併せて考えれば、時代が追いついてもなお時代の先端を行くことは明白だ。スマートの前では環境面で優れているクルマでさえ、それだけでは時代遅れに見えてしまうわけだ。
メカニズム的にはエンジンが700ccの直3・ターボから、スマートと昵懇(じっこん)の仲(フォーフォーを忘るべからず!)だった三菱の1.0リッター直3・NAになった。結果として、最高出力は10psアップの71psとなったが、最大トルクは逆に0.3kg-mダウンして9.4kg-mに。また組み合わせられるゲトラグ社製2ペダル自動MTも6速から5速になった。…この事実からやや不安とも思える走りはいかに?
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