400万円超でライバルより高価。なのになぜ、新型「フォレスター」はスバル1番のヒットになれたのか？

スバル フォレスター

クルマそのものの価値を求めるユーザーにとって理想的な1台

国内SUV市場は、「ヤリスクロス」、「ヴェゼル」、「ライズ」など低価格帯モデルの伸びが著しい。

しかし、フォレスターはそれらとは異なるベクトルで支持を集めている。単なる“安さ”や“燃費”ではなく、「総合的な安心感」と「走りの愉しさ」を評価するユーザー層が確実に存在するのだ。

また、スバルは販売店のフォロー体制が強固でリピーター率も高い。ブランドロイヤルティの高さが販売の底支えになっている。

さらにSUV需要の高まりに対して、フォレスターは“ど真ん中のサイズ”という点が強い。全長4655mmのボディは都市部でも取り回しがよく、ファミリーから単身アウトドア派まで幅広く対応できる。

フォレスターは、BEVのソルテラを除けばスバルSUVの中で最も高価でありながら、最も売れている。その理由は、「信頼」「質感」「選択肢」という3つのキーワードに集約される。

スバルらしい確かな走りと安全性、上級志向の仕立て、そしてS:HEVとガソリンターボという明確な選択肢。価格だけでなく、クルマそのものの価値を求めるユーザーにとって、フォレスターは理想的な1台である。

SUV市場が“数”の競争に傾くなかで、フォレスターは“質”で勝負する。高価だからこそ選ばれる、それがこのモデルの強さなのだ。

（終わり）

（写真：スバル、トヨタ、ホンダ、編集部）