新型ケイマン海外試乗 素かSか、MTかPDKか
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:ポルシェジャパン
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:ポルシェジャパン
用意された試乗車は大半がケイマンS、しかもそのほとんどがPDKという陣容で、僕が最初に乗ったのはスポーツプラスシートを備えるPDK仕様の赤いケイマンSだった。このスポーツプラスシート、レーシングバケット風の形状と薄めのクッションがスパルタンな座り心地で僕の好きなタイプだが、バックレストの角度を微調整できないのが若干不満だった。それはさておき、そこからホテルまでのさほど長くないテストドライブでも、赤いケイマンSはいくつかの好印象を僕にアピールしてきた。
まずは電動アシストのパワーステアリングが素晴らしいフィールを提供してくれるのが心強く、フラット6が快音を奏でながらスムーズに回転を上げるのにも心が躍る。それに加えて印象的だったのが乗り心地で、オプションの20インチ径ピレリPゼロを履いているにもかかわらず、ケイマンSは実に滑らかに走っていく。決してソフトではないのに、路面を滑るようなスムーズさでこなしていくのには、オプション装備された電子制御可変ダンパー、PASMの進化が大きく効いているはずだ。PASMはSでも標準装備されないから、購入時にはオプション装着するべき必須アイテムだろう。路面によってはロードノイズが若干耳についたが、僕はスポーツカーとして充分容認できる範囲にあると思った。
もうひとつ快適な乗り心地に大きく貢献しているのが、例のボクスター2.35倍の静的捩じり剛性を誇る強固なボディなのは疑う余地もない。こちらはオプションとして選ばなくても、すべての新型ケイマンに標準装備されるのでご安心を!
明けて翌日は朝から試乗とあいなったが、その日は公道とともにAlgarveという名の、変化に富んだアップダウンのあるサーキットもテストドライブの舞台に設定されていた。F1ポルトガルGPの開催も目論んでいるという噂のそのコースを、あのヴァルター・ロールさん、または若い現役ポルシェワークスドライバーによる991の先導で走るのである。
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