欧州がお得意の“二枚舌”で次々に「BEV万歳!」撤回の台所事情。モデル戦略にも異変が起きる
掲載 carview! 文:編集部 108
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ほとんどの自動車メーカーがバッテリー電気自動車(BEV)一本に絞り込んでくるかと見られた欧州市場だが、ここにきて安価な中華BEVの大量流入がきっかけとなり、にわかに雲行きが怪しくなっている。
そもそも欧州メーカーが「BEV万歳!」となった背景には、ハイブリッドや内燃機関の高効率化で先行する日本車をお得意のルールメイキングで追い落としたいという思惑が見え隠れしていた。
このキャンペーンに乗った主力経済誌などはこの10年ほど、折に触れてはトヨタが「ガラパゴスハイブリッド」などと揶揄する記事を掲げてきたのは読者も良くご存知だろう。
一方で、トヨタはここへきて「マルチパスウェイ」の名のもとにハイブリッド(HV)、BEV、燃料電池(FCV)を組み合わせたパワートレーンの全方位戦略を打ち出しており、日に日に「先見の明あり」と評価を高めている。
そこで今回はにわかに暗雲が垂れ込み始めた欧州BEV事情と、実は変わり身の早さでも定評のある欧州メーカーの方針転換について、最新モデルの動向を見ながら見渡してみたい。
まず、最近飛び込んできた欧州での“BEV低迷”を象徴するニュースが、フォルクスワーゲングループがベルギー工場の閉鎖を検討しているというニュースだ。
この工場では高級電動SUVのアウディ「Q8 e-tron」が生産されており、もし本当に閉鎖が実行されれば欧州に立地する工場を閉じるのはメーカーとして初となる。
こんな暗いニュースが出てくるのも世界的にBEV販売が伸び悩んでいるためで、特にインフレの長期化に加え補助金削減というダブルパンチから地元欧州での不振は深刻のようだ。
加えて、Q8 e-tronは日本国内でのスタート価格が1000万円超というプレミアムモデル。
どうやら高額のBEVほど売行きは芳しくなく、主力のBEVモデルである「ID.4」の投入など、日本でも電動化を推し進めるフォルクスワーゲングループだが、テスラ「モデルX」などと比べ見かける機会の少ないQ8 e-tronの国内販売は風前の灯火かもしれない。
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