スズキのデザイン力が炸裂! 話題の「イグニス」、完成度はいかに?
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:篠原 晃一 1
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日本メーカーが日本で量販するサブコンパクトカーとして仕上げたイグニスは、市街地を這いずる速度域から100km/hプラスアルファ程度まで……という日本的な使い方では、非常に快適な乗り心地を提供する。
なるほど、後席はソリオより上下動が多い気がするが、運転席に座っているかぎりはあまり気にならない。低速でもサスストロークはつっぱりもなくスムーズ。スプラッシュが和製ドイツ車だったとしたら、イグニスはさしずめ和製フランス車……といったらホメすぎか。
山坂道でのイグニスはちょっと昭和な薫りがする。“昭和”というのは、今どきとしてはリアの押さえがちょっと弱めという意味だ。リア優先の前後グリップバランスで、なにがあってもケツは滑らせない……という最新のシャシートレンドとは趣きが異なる。履いているタイヤも175幅のエコタイプ。つまり、ごくごく普通のコンパクトカー的なものなので、絶対的な限界も高くはない。
だから、不用意に急ハンドルを切ったり、コーナー途中で強めのブレーキングをしたりすると、イグニスはある領域からリアがブレーク気味に曲がりこもうとする。まあ、そのために横滑り防止装置があるわけだし、無謀な運転をしなければ、簡単に危険姿勢になるわけではないが、リアはもう少し押さえを効かせてもよいのでは……と思わなくはない。
ただし、わざわざここを読んでいただくような好き者が、そういう特性であるとわかったうえで走らせるなら、イグニスはこれはこれで、なかなかオツな味わいではある。
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