今夏上陸! e-ゴルフの市販版に試乗
掲載 更新 carview! 文:石井 昌道/写真:フォルクスワーゲン グループ ジャパン
掲載 更新 carview! 文:石井 昌道/写真:フォルクスワーゲン グループ ジャパン
VWも電動化に手をこまねいていたわけではなく開発は続けてきていたが、ここにきてラインアップを急拡大することになったのは「MQB」とも無関係ではない。モジュールテクノロジープラットフォームのMQBではポロからパサートのクラスまで、すべて同じパワートレーンを採用できるように設計されている。EVやPHEV(プラグイン・ハイブリッド)のモーターなどもMQBに最適なカタチで開発され、市販化がスタート。今後、様々な車種で展開可能となっているが、その第一弾が、MQB第一弾でもある7代目ゴルフ(アウディA3含む)のEVバージョン「e-ゴルフ」というわけだ。
e-ゴルフは最高出力85kW(115ps)/最大トルク270Nmのモーターを搭載。リチウムイオンバッテリーは24.2kWhの電力容量で航続距離は130~190kmとされている。0回転から最大トルクを発揮できるモーターの特性によって1ギアで済むのがEVの特徴だが、e-ゴルフも例外ではない。最高速度は電気的に140km/hに制限されているという。冬場のヒーター使用時に航続距離がガクンと落ちるのがEVの悩みの種で、最近は日産リーフも高効率なヒートポンプシステムを新採用しているが、e-ゴルフも標準装着は電熱式だがオプションでヒートポンプシステムを用意するという。
今回はベルリンの街中を中心に試乗したが、乗り味は素晴らしかった。静かで振動がなく、トルクフルで速い。バッテリーが床下に敷き詰められているので重心が低くてシャシー性能もいい、などというのはEVでよく言われることで当然といった感じだが、“ゴルフそのものの良質さ”がEVでも堪能できるのが特徴だ。
静粛性の高さはゴルフの美点だが、e-ゴルフではパワープラントのマウントをエンジン車と異なる支持特性を持つ振り子式にして改良。モーターのノイズもハウジングの設計に工夫を加えることで抑え、さらに吸音材もワンランク上のものを使っているという。結果的にEVのなかでも一際静かで快適になった。
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