ハリボテじゃなかった「Nissan GT-R50 by Italdesign」に見た日産のマジっぷり
掲載 更新 carview! 写真:編集部
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ボンネットは一般的なヒンジで開くタイプではなく、バコッと丸ごと取り外すタイプで、そのためではないでしょうが、軽量なカーボン製となっています。他にも、ボディの強そうな色名のゴールド部分は、基本的にはカーボン製だそう。さらにインテリアに目を向けると、ボディ以上にいたるところにカーボンを多用しています。
すると、驚いたことに、アルベイザ氏から、このモデルは市販前提のプロトタイプなので、「どうぞ座って確かめてみてください」ということで、編集も恐る恐るシートに座って、ハンドルを握ったりしてみました。それでGT-R50の実力の何がわかるわけでもないのですが、メディアを躊躇なくシートに座らせるという行為に、日産とイタルデザインの自信が垣間見えた気がしたのでした。
ざっと目に付いたところでは、ハンドルの上下やセンターパッド周り、ステアリングコラム、ダッシュボード下部、メーターナセル、センターコンソール、ドア内張りなどなど。サイドと座面前方の一部が黒のイタリアンレザー、背面と座面が黒のアルカンターラという組み合わせの艶っぽい前席シートも、背面にカーボン地が見られました。
凝った造型のリア周りでまず目に付くのが、ジャンボジェット機のジェットエンジンさながら、ボディから浮いているように見えるテールランプ。鮮やかなLEDでよく見ると、円の中が中空になっていて、Cピラーに開けられた穴から入ったエアーを抜くテールゲートのスリットが、その奥に見えます。赤いLEDの粒々が内壁にびっしりと散りばめられているのも、宇宙空間をワープする絵面のようで、単純に面白い。
そのテールランプに沿うようにうねっている昇降式のリアウイングは、その機構を埋め込むため、ベースモデルのようにトランクリッドがありません。では、「どこにトランクが?」というと、逆台形のリアガラスが埋め込まれているゴールドのハッチバックが開いて、プラス2(なんと2シーターではなかった!)のリアシートの後ろにある、前後方向は狭いものの、深さのあるラゲッジスペースが現れます。
他にも、ドアの前方、フロントフェンダー後方のエアアウトレットには、スクエアなゴールドのプレートが嵌めこまれていて、ネーミングが「サムライブレード」というのはご愛嬌でしょうが、前後タイヤ後方下部のカーボン製エアスプリッターや、パンッと左右に張り出したR32からR34にかけてのオマージュのようなリアフェンダーなど、見所はお披露目会に行く前に想像していたより、遥かに多かったのでした。
グッドウッドで走行する姿が公開されたものの、今回公開されるのは、もしかしたらハリボテなんじゃないかとさえ思ったGT-R50でしたが、いい意味で期待を裏切られる、ガチでマジな作りこみに、やたらと感心してしまいました。
さて、このGT-R50は最大50台ほどが限定生産される「可能性がある」そうで、1億1700万円+エクストラを用意できるユーザーは、インテリアの場合、形状変更はできませんが、基本となる2つのバージョンから、好みに応じて革などの材質を選択することができます。また、エクステリアは、可動式か固定式のリアウイングが選べ、指定されたパレットからボディカラーを選ぶことができます。他は、エアロダイナミクスを「少しだけ」チューニングすることもできるそうです。
レース専用モデルの「GT-R NISMO GT3」の2018年モデルは、6000万円だそうですが、NISMOの手作業によるエンジンと、強化された駆動系や足回り。そこにイタリアの老舗カロッツェリアの手作業によるフレームとボディ、そしてインテリアが組み合わされ、1億1700万円“から”となるNissan GT-R50 by Italdesign。実物に触って、その作りを見た今では、その価値も理解せざるを得ないという心持ちになったことは、素直に証言したいと思います。
しかし、プロダクトとしてのかかった手間に対する価値と、それを所有したいと欲する際に感じるプロダクトへの価値は、また別物。気になっていた方は、実際にご自身の目で見て、億超の価値があるのか、機会があれば確かめてみてはいかがでしょうか。
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