モデルチェンジ間近の完熟ゴルフに試乗。究極の普通が平凡な日常を変えてくれる
掲載 更新 carview! 文:伊藤 梓/写真:編集部
掲載 更新 carview! 文:伊藤 梓/写真:編集部
今回の試乗車は上級グレードの「ハイライン」で、1.4L直4ターボ(140ps/250Nm)を搭載したモデル。今では受注生産になってしまったが、私は1.2L直4ターボを搭載した「トレンドライン」というベースグレードを所有していた。乗ってみると、トレンドラインと比べてパワーに余裕があって滑らかに走るところなど、より上質な印象を受けた。
ただ、極めて素直なハンドリングはまったく一緒だった。ハンドルの重さも絶妙で、軽すぎず重すぎず、切り込んだときにクルマが最初からドライバーの行きたい方向を知っているかのように、ぴったりと針路を取ってくれる。「そうそう、この感じ」すべての操作に引っかかりがなくて、自分が何も気にしないでそこにいることができる、水のような空気のような存在。でも、なくなってしまったらぽっかりと穴があいて、流れていた日常が止まってしまう、ゴルフはそういうクルマだったなと思い出した。
その素直さを感じていると、ハイラインの装備は少し過剰に思えてきた。日本では、輸入車で多少は高級車のイメージがあるかもしれないが、やはり元々フォルクワーゲンは大衆車でたくさんの人たちに届けるためのクルマだ。トレンドラインは日本では影が薄いが、1.2Lエンジンでもまったく不足は感じないし、よりシンプルで装備が簡素。タイヤも1インチ小さく、価格も比較的お手頃でゴルフの性格にぴったり合う気がした。
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