新種のレンジローバー、イヴォークの実力は?
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:ジャガー・ランドローバー・ジャパン
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:ジャガー・ランドローバー・ジャパン
実利ではなく感情に訴える商品作りをする上で、欠かすことのできない要素がブランド力だ。そしてこの点でも、イヴォークには大きなアドバンテージが備わっている。SUVマーケットには名だたるプレミアムブランドがすでに参入済みで、先のフランクフルトショーではマセラティまでもがSUVを提案してきた(※編集部注:マセラティ クーバン)。まさに百花繚乱である。しかし、ことSUVに関してレンジローバーを超えるブランドはこの世に存在しない。
あるときは英国王室御用達として、またあるときはハリウッドスターのクルマとして、レンジローバーは40年間以上に渡って、常に世界中の人々から熱い視線を注がれてきた。ブランドイメージやステイタスとはそういったプロセスを経て作り出されるものであり、他のブランドがいくら頑張っても一朝一夕ではつくりだせない。イヴォークは史上もっともコンパクトなレンジローバーだが、そのバッジには強力な神通力が秘められている。またそのことを誰よりもよく知っているからこそ、メーカーはイヴォークのデザインにレンジローバーの伝統を感じさせるディテールを巧みに採り入れているのだ。
レンジローバーはランドローバー社というオフロード専門メーカーの1車種として1970年に登場したが、現在はランドローバー内のプレミアムブランドという位置づけとなり、レンジローバー直系のフラッグシップである「レンジローバーヴォーグ」と、スポーツ度を高めた「レンジローバースポーツ」をラインナップする。イヴォークはその第3弾だ。
一方、ランドローバーブランドは「ディスカバリー」や「フリーランダー」といった、よりヘビーデューティーでより実利方向のクルマ作りを担当する。とはいえ、フランクフルトショーにお目見えした次期ディフェンダー(日本導入は未定)を見ると、狙っているのは実利だけではなさそう。いずれにしても、レンジローバーは“エモーショナル”を、ランドローバーは“ファンクション”をキーワードにしたブランドへと、今後はより明確に個性を分けていくことになるだろう。
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