クルマは速けりゃいいってものでもない。かつて流行った“シグナルGP”には参戦しなかった2代目「プレリュード」
掲載 carview! 文:koensha 32
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プレリュードはスタイリングだけのクルマではなかった。パッケージングや装備も吟味されていた。
低いノーズは絶好の視界をもたらし、運転のしやすさは最高。2+2レイアウトの室内は、後席も実用的なスペースを確保していた。多少無理をすれば4人での長距離クルーズも苦痛ではなかった。1台でファーストカーとして使えたのだ。
装備も豪華。電動ガラスサンルーフ、オートクルーズ、パワーウィンドウ、高機能オーディオなど、スペシャルティカーに期待される快適装備はすべて標準装備だった。
当時はまだスポーティ=スパルタンの図式が残っていた。そのなかにあってプレリュード(そしてソアラ)は、スタイリッシュで快適な新しいモータリングの世界、すなわちスペシャルティカーの魅力を力強く示した。
スペシャルティカーの新たなスタンダードを築いたのだ。そこが新鮮であり、ホンダのクルマ作りにユーザーは熱狂した。
プレリュードのささいな弱点は、そのパフォーマンスにあった。パワーユニットは1気筒当たり吸気2バルブ、排気1バルブの3バルブ構造を持つSOHC 12Vで、2基のCVキャブレターを組み合わせていた。
パワースペックは、125ps/5800rpm(ATは120ps)。ホンダユニットらしい軽快な吹き上がりを持ち、ほとんどロールを感じさせないサスペンション設定もあって、俊敏な印象の走り味に仕上げていた。
しかし、絶対的なパフォーマンスはクラス平均レベルでしかなかった。MT仕様で0-400m加速タイムは17秒台後半、AT車では18秒台半ばというのが実測値だった。
ターボやツインカムの強力ユニットを搭載したライバルと比較すると、明らかにパフォーマンスはマイルドだった。
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