中古車の市場価値変動で残価設定ローンはどう変わる? “アルファード地獄”を生んだ支払い構造の落とし穴を追う
掲載 carview! 文:APOLLO NEWS SERVICE 53
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ネット上では“アルファード地獄”という言葉がしばしば話題になります。その背景には、先代「アルファード」が一時期“アルファードバブル”ともいえる状況になり、新車価格を上回る中古車相場を記録した時期があることが挙げられます。
国内外で需要が過熱し、新車を購入してしばらく乗ったあとに売却すると、ローン残高を差し引いても手元にお金が残るケースが多く、「短期間で乗り換えれば乗り換えるほど得をする」という感覚で、いわゆる“アルファードころがし”が各地で行われていました。
このとき残価設定ローンでも、高い中古車相場を前提にした残価が設定されました。例えば車両価格500万円の先代アルファードに対して、5年後の残価を300万円前後とするようなイメージです。
この“5年後にいくら残っていることにするか”という残価相当額は、契約時に固定されます。その後の市場動向に合わせて自動的に増減するものではなく、ローンの支払計画上は最後まで変わりません。
問題は、その後相場が落ち着いたあとです。中古車としての実勢価格が下がり、5年経過した先代アルファードの下取り・買取額が200万円前後まで落ち込んでしまうとします。この場合でも、ローン上は最終回に300万円近い残価相当額の支払い義務が残っています。
ところが、実際に売却しても200万円程度しか戻ってこないため、売却代金だけではローンを完済できず、100万円前後の支払いがそのまま“残る” ことになります。ここで残るのは「市場価格が下がったから残価が増えた」のではなく、「契約時に固定された残価やローン残高に対して、売却額が届かなくなったことで、自腹で埋めなければならない金額が大きくなった」という構造です。
こうした状況に陥ったユーザーの中には、最終回の残価相当額を現金で用意できず、2年程度の再ローンを組んで支払おうとする人もいました。
しかし返済期間が短いぶん月々の負担は住宅ローン並みに膨らみ、家計的に現実的とはいえない水準になるケースも多かったといわれます。
結果として、アルファードからノア&ヴォクシーなどへのダウンサイズ乗り換えに切り替えたり、場合によっては軽自動車への乗り換えを余儀なくされる例も出はじめ、“アルファード地獄”という言葉が広まっていきました。
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