中古車の市場価値変動で残価設定ローンはどう変わる？ “アルファード地獄”を生んだ支払い構造の落とし穴を追う

トヨタ アルファード

距離制限と車両状態、追加精算が生まれる理由

残価設定ローンには走行距離上限が設定されており、たとえば月1500㎞・5年契約なら9万㎞以内という条件が一般的です。

これは返却された車両が中古車として一定の価値を保てるようにするための基準で、市場価値と整合性を持たせる意図があります。大幅に超過すると追加精算が発生し、なかには70万円以上の請求が発生した例もあります。

子育て世代では内外装の汚れや生活傷が減点につながり、思わぬ追加負担が発生することがあります。“できる営業担当者”は下取り時に購入希望者の車両の状態を見て「追加精算リスクが高い」と判断すると、残価設定ローンを積極的に勧めないケースもあるようです。

いまや販売現場では残価設定ローンの利用が6～7割に達するといわれ、新車価格の上昇や生活不安の高まりもあり、現金一括で購入できる層でも“手元資金を残しておきたい”という理由で残価設定ローンを選ぶケースが増えています。“購入時と最終回だけ支払う全2回プラン”のような極端な商品が登場しているのも、こうした需要に対応したものです。