新型「ムーヴ」はバランス重視の優等生タイプ。スライドドア以外は地味キャラだがライバルを研究した装備と価格が上手い
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 13
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 13
RSは直3ガソリンターボエンジン(最高出力64ps、最大トルク100Nm)とCVTの組み合わせ。軽自動車の場合、最高出力が自動車メーカー間の自主規制によって64psまでに制限されるため、最新のムーヴであっても特別力強いというわけではなく横並びだ。
したがって各社、静粛性や振動の少なさ、燃費の良さを追求するのだが、RSのパワートレインは発進、自動車専用道路への合流、その後の巡航と、全域で静かでスムーズだ。CVTの特性もよく、アクセルを踏むとまずエンジン回転数だけが上がり、その後に速度が上昇する、いわゆるラバーバンドフィールもない。
続いて試乗した自然吸気エンジン(同52ps、同60Nm)とCVTを組み合わせるXは、これまたピークパワーは各社の自然吸気エンジン搭載モデルと横並び。いっそ軽自動車のパワートレインは生産する4社で共同開発してはどうかという意見もあるが、その通りだと思う。
ターボのRSと比較すると、トルクがないので加速時に必ずアクセルを深く踏むことになり、エンジン音が高まるため、静粛性の面で劣る。前述したラバーバンドフィールもやや残る。やはり軽自動車の場合、ターボは数十万円の贅沢だ。
RSは主に見栄えのために15インチタイヤを装着するため、バネ下重量が重い。このためRSのみ専用のダンパー(主に異なるのはオイルが往来するバルブ)が備わり、バタつきを低減させている。
14インチタイヤのXと比較すると、30km/h未満の低速域では道路の不整を通過する際にややバタつく。が、30km/h以上となると、RSの直進安定性のよさを感じるようになった。
トータルでどちらが乗り心地がよいか、はっきりとは決められないが、自動車専用道路での巡航時にはRSのほうがどことなく快適だったので、高速道路を走行する機会が多いならRSをオススメする。
RSには全車速対応のACCとLKC(車線中央維持アシスト)が標準装備される。自然吸気グレードでもGにはオプション設定があるが、Xには装着できない。この点でも高速道路を走行する機会が多いならRSがよいだろう。今どきの各社の軽自動車に備わるベーシックな安全装備は全グレードに標準装備される。
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