新型マークX、“プラスエム”の価値に肉薄!
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:齋藤 正
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:齋藤 正
だが、肝心のステアリングフィールは、もうちょっとシャープだと面白いのに…と思ってしまったのが正直なところだ。ここの特性はノーマル・マークXと全く同じで、まあ、相当なチューニングカーでもパワステの設定を変えるようなことはないのだが、ベース車が持っている適度にシャープだが、適度にマイルドな設定が、こういうシビアかつスピードアップした領域だと強調される。曖昧な部分がでてしまうのだ。
特にBMWの3シリーズやメルセデスのCクラスが、最近どんどんシャープなステアリング特性を持つ傾向があり、もっとピッと切ったらピッと反応するようなものでないと、真の意味で対抗するのは難しいだろう。それとブレーキも絶対的な効きは悪くないが、もっとカチッと効くと気持ちいい。
とはいえ、考えてみればパワー360psでトルク50kg-mなんて、超一流のスポーツカーレベルだ。昔で言えば“わずか”280psのホンダNSXよりも80psもパワフルなわけで、それを大衆セダンに載せてるわけだから、ある程度無難な味付けにするのも当然かもしれない。
それと聞けばライバルは、BMW M3やレクサスIS-Fなどではない。ターゲットは「ベンツじゃ営業しづらい」という街のクルマ好き社長や上級サラリーマンで、実際問題500万円程度の価格のクラウン・アスリートが最大のライバルなのだ。
なんでも本物志向、ヨーロッパ指向がすべてじゃない。こういう“ちょっと不良”な日本のお父さん向けグルマとしては、適当かもしれない。やはりマークXはマークXなのだ。
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