レクサスIS試乗。日本の高級車は変わるか?
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:菊池 貴之
とはいえ、ISには虎の子の300hがある。燃費は23.2km/L。ハイブリッド車の実用燃費はカタログ燃費との乖離率が大きめになるが、それを差し引いてもこの数字はやはりスゴい。エンジン+モーターのシステム出力は220ps。だが、モーターアシストを上手に利用することで、250(215ps)より1レベル上の力強さを示してくれる。250の2.5LV6でも、プレミアムスポーツセダンとしてほぼ満足のいく動力性能を持っていることを考えれば、300hに乗って不満を感じるのはよほどの飛ばし屋ぐらいだろう。
4気筒エンジンということで気になるのは静粛性だが、流れに乗って走っているようなケースではエンジンのノイズはほとんど聞こえてこない。車速の伸びとエンジン回転数の伸びがきれいに一致した自然な制御も好印象だ。とはいえ、アクセルペダルを深く踏み込んで高回転域まで回していくと、4気筒特有の色気に欠けるノイズが聞こえてくる。いや、いまの時代、そういう表現は妥当ではないだろう。ライバルたちの4気筒はいまや6気筒並みの静粛性とスムースネスを実現しているからだ。常用域での振る舞いに文句の付け所はない。ただ、世界と戦うプレミアムスポーツセダンとして評価すると、回していったときの音の濁り、車速とエンジン回転数の不一致は今後の課題としたい。
同じく課題としたいのがインテリアだ。押し辛いステアリング上のスイッチ、額縁に対して小さすぎる液晶パネル、事務的な印象のダッシュボード周りなどは、ライバル車に乗る人の目には物足りなく映る可能性が高い。エクステリアではレクサスの世界観をかなり明確に表現しているが、インテリアはまだまだ発展途上と感じる。もう一点、急速に注目度を高めているプリクラッシュセーフティをオプション設定としてしまった消極性(読みの甘さ?)にも注文をつけておきたい。
いくつか不満は述べたが、新型ISは間違いなく今後のレクサスの方向性を指し示すモデルだ。肝心要のボディをしっかりと作り込むことで、これまで出したくても出せなかった濃密感、凝縮感を醸しだしているのは本当に画期的なことである。言葉で言われてもピンとこないかもしれないが、たとえば先代と乗り比べてみれば絶対にわかるし、購入して乗り続ければ、濃密感だの凝縮感だのといったきわめて感覚的な表現がいかにカーライフを豊かにしてくれるものであるかを実感できるとお約束しよう。言い換えれば、新型ISは輸入車から乗り換えても、乗り味という点で不満を覚えることのない初めてのレクサス車ということだ。嬉しいことに、受注状況は絶好調とのこと。海外勢への流出が止まらない高級セダンマーケットにおいて、新型ISが日本勢の救世主となるのを期待したい。
ログインしてコメントを書く
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 後編
知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 前編
20代現役デザイナーが選んだ「アルフェッタGT1.8」は伊藤忠モノ! 4~5年探してやっとの思いで購入したアルファ ロメオとは
基本メンテナンスで100年間! HEツーリッター・スポーツ(2) 1924年を感じさせない製造品質
ブガッティとベントレーの愛のない結婚? HEツーリッター・スポーツ(1) 100年前に5年保証!
美と走りの頂点へ! 一部改良で進化したレクサス「LC」がラグジュアリーの新たな幕を開ける
ほぼ新車な「“クラシック”ディフェンダー」がスゴイ! V8搭載&超豪華内装化も可能!? TWISTED JAPANの「ハイパフォーマンスモデル」とは
冬のツーリングこそ楽しい! バイク界の“高級サルーン” 快適装備満載の人気「バガー」3選
名機・A型エンジン搭載の歴代『サニー』が集結…オールサニーズ・ミーティング
2024年問題で高速の景色が変わった! トラックドライバーの労働時間を縛る愚策がもたらした結果
[15秒でニュース]ラムが初のBEVトラックの発売を延期…PHEVを優先展開
「ここ有料道路だったの!?」がやけに多い“千葉県”なぜ? 今やフツーに使ってる“実は神ルート”な道たち
【発売秒読み!?】マツダ、2.0Lチューンドエンジン×幌の高性能「ロードスター」市販予定仕様を公開【TAS25】
【ライバルもビックリの強烈さ】スズキ新型「ソリオ」公開! 「フロンクス」のクールなカスタム仕様も【TAS25】
【無敵の布陣完成】トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」一部改良。廉価版・PHEV・最上級4人乗り一挙追加…510万円から
【2025年もシークレットあるかも?】スバルがオートサロン出展概要発表 新色のBRZなど展示
【まるでドラマ】鴻海をけん制し、株価をV字回復させ、日産とホンダの統合を進める経産省の凄腕ぶり
【究極系ノートオーラ】デザインも中身も本気な「オーテック・スポーツスペック」登場。NISMOとの違いは?
【色褪せない美しさ】レクサス「LC」改良。剛性アップで走りが深化、内装もゴージャスに…1405万円から
いつまで待たせる? レクサス「GX」北米25年仕様の登場で日本発売の期待高まる。気になる価格は?
トヨタ「ミライ」改良 黒のアクセントがキマってる10周年特別仕様車を新設定&グレード構成変更など
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!