プリウス主力工場見学 トリビア満載で解説!
掲載 更新 carview! 文:伏木 悦郎/写真:トヨタ自動車
掲載 更新 carview! 文:伏木 悦郎/写真:トヨタ自動車
東名高速豊田インターを降りて、西に進むこと10分。片側二車線の立派な県道(?)の両側が開けた先に、いかにも自動車工場らしい巨大だがそれほど背は高くない建屋が目に飛び込んだ。
堤工場は、トヨタの企業城下町豊田市とその周辺にある4つの車両工場(元町、田原、高岡、堤)のひとつ。1970年以来FFミドルクラスの主力工場として位置づけられ、現在の生産規模は年産40万台を誇る。いまやデトロイトに代る世界のモータウンとなった“トヨタ”を代表する威容を眺めるのは、これがはじめて。2007年に生産累計1500万台を達成したと聞いて、あらためて日本のモノ作りの迫力に胸が熱くなるのを感じた。
クルマは工場で作られる。あたりまえの話だが、日常生活に追われているとなかなか思いが至らない。多くのユーザーは、クルマをR&D(研究開発)の成果として見ている。多分に我々メディアのせいでもあるのだが、ニューモデルを取り上げる際、担当エンジニアやデザイナーが華々しい開発ストーリーとともに紹介されることはあっても、工場の腕利き工長さんが露出することはまれだ。
自分の愛車が作られる風景をリアルに思い描ける人がはたしてどれだけいるだろう?
僕は自動車工場を見るのが好きである。何万トンのスタンピングマシンが鋼板を打ち抜くプレス工程に始まり、溶接ロボットが唸りを上げて骨格を作り上げるボディ工程、化粧をまとう塗装工程、すべての装備部品を組み付ける艤装工程ときて、最後に検査工程でゴールを迎える。
生産ラインのダイナミズムに触れると自動車の本質が見えてくる。日本車の真価は生産技術力によって支えられている。とかく華やかな開発技術力ばかりに注目が集まるが、工場で作れないクルマは商品にならない。
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