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新型スイフト、国産コンパクトの危機を救う!?

絶妙なサジ加減

一般道、高速道路、サーキットと3ステージで味わった新型スイフトは、それはそれは素晴らしかった。走り出してすぐに感じるスカッとした軽さ。カッチリとした剛性感を持ちながら、決して「カタい」とは感じさせない絶妙なサジ加減。CVTでは一般道や高速でのスムーズさは想像通りだったが、驚いたのはそれがサーキットになると、しっかりスポーティに走れることだった。

パレットSWですでに実力を証明済みの副変速機構付きCVTは、スイフトでもいい仕事をし、0-100km/h発進加速が先代比約7%、40-80km/h追い越し加速は約16%向上しているという。また5MTはシフトアシスト機構を採用して、カチッと素早いシフトフィールが味わえるし、可変ギアレシオが採用されたステアリングは、低速から小気味いい操作感だ。

ひとつ残念なのは、新型では4WDモデルでMTが選べなくなったこと。実はスイフトといえども日本でのMT比率は5%程度と決して高いとは言えず、削らざるを得なかった。ただし、スイフトスポーツでは約70%がMTを選ぶ。鋭意開発中という新型の“スイスポ”が、とても楽しみである。

そして今後のコンパクトカーは、従来のように通常モデルとスポーツモデルを展開するだけではなく、近く発売されるホンダ・フィットのように、もうひとつエコロジーモデルを用意するのがトレンドになっていくだろう。その点スイフトは、まだ先代がベースではあるがレンジ・エクステンダーというプラグインハイブリッドの開発が進んでいる。試乗時にはラゲッジ全部がバッテリー置き場、という具合だったが、走りの完成度はかなり高かった。また気になるアイドリングストップだが、こちらもどうやら欧州向けに存在する模様だ。いずれ、日本にも導入されることだろう。

世界を見据えてコツコツと造り上げた新型スイフトは、とても懐の深いクルマになっていた。きっと、日本のコンパクトカーの危機も救ってくれるはずである。

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