新型アウディQ5にメキシコで試乗。その完成度は？

今度のQ5はメキシコの新工場で生産される

ところで、Q5はこれまでアウディ本社のあるドイツのインゴルシュタット、中国の長春（Changchun）、インドのオーランガバートで生産されてきたが、ニューQ5は本拠地インゴルシュタットを離れてメキシコのサンホセ・チアパ（San Jose Chiapa）で生産される。

この町はすでに1964年から操業しているフォルクスワーゲン・メキシコ工場のあるプエブラ州にあり、ロジスティック面などでシナジー効果を狙ったものだ。投資額合計は10億ユーロ（約1200億円）と言われているが、メキシコに工場を建設したのは、完成車出荷に際してNAFTA（北米自由貿易協定）および、自由貿易協定を結んでいるEUや日本などへ関税無しで出荷出来るのはもちろん、この地域に於ける労働賃金の安さも当然考慮されている。メキシコ工場での平均時給は8米ドルで、これはドイツのわずか13.5％にすぎない。工場には4200人が従事し、年間15万台のQ5がアメリカ、欧州、日本など（中国とインドを除く）世界に向けて生産される。

そんなわけで、国際試乗会はメキシコ、それもバハ・カリフォルニア州のロス・カボスを中心に行われた。ここは過酷なデザート・レース「バハ1000」で有名な場所である。ドイツからおよそ18時間かけて到着、その翌朝8時30分から試乗開始という過酷なスケジュールであったが、サボテンがそびえる外気温35度のエキゾチックな環境に圧倒され、時差ボケを感じる間もなくファーストステージへと飛び出した。