【ある種の傑作が誕生】クロストレックの「ストロングHV」モデルはeボクサーモデルと格が違った!
掲載 carview! 文:伊達軍曹/写真:SUBARU、編集部 19
掲載 carview! 文:伊達軍曹/写真:SUBARU、編集部 19
そして試乗車に乗り込み、まずは街なかをゆっくりめに走り始めると、しばらくは2.5Lエンジンが始動しないまま、つまりEV状態で走ることになる。その際の力強さは「街なかを普通に走る分には十分」といったニュアンスだ。
登り坂にさしかかかったり、必要な加速のためアクセルペダルを踏み込むとエンジンが始動するが、その境目はトヨタのハイブリッドシステムと同様にほぼシームレスである。よほど耳を澄ますか、メーターパネル内の表示を凝視しない限り、エンジンが稼働し始めたかどうかはよくわからない。
そして今回は遮音性能にもかなり力を入れたようで、車内はきわめて静かである。「静かなスバル車」というのにまだ身体と心が慣れていないが、いずれにせよ快適ではあり、トルクフルな2.5Lエンジンと電気モーターの相乗効果による力強いニュアンスも、同様に快適および快感だと感じる。
そして街なかと幹線道路を抜け、山坂道へと向かうあたりにて、スバル製ストロングハイブリッドの本領を発揮させてみた。つまり、アクセルペダルをやや深めに踏み込んでみた。
……一瞬、「あまりにも静かなまま加速していくスバル車」というものに違和感を覚えたが、「いや、この静けさこそが現代および近未来のスタンダードなのだ。いつまでも昭和の感覚を引きずってるんじゃない!」と自分に言い聞かせたところ、違和感は5秒ほどで消えた。
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そしてあらためて冷静にストロングハイブリッドユニットの具合を観察してみると……イイ!
パワー感的には凡庸だったマイルドハイブリッドと違ってきわめて力強いのだが、「ただ無機質にモーターの強大な力が垂れ流される」というニュアンスではない。ドライバーの意思や操作に対して忠実に、パワーユニットの力が路面へと伝わっていくのである。要するに「いつものスバル」ということだ。
その「いつものスバル」がエレキの力によって増幅されることで、ドライバーはこれまで以上の快楽を覚えることになるのだ。
「いつものスバル」は、ストロングハイブリッド版クロストレックの足回りにおいても同様である。いや、ハイブリッド化に伴い100kgほど重くなった車重でもって「いつもの乗り味」を実現させるため、実際にはサスペンションを専用セッティングにしたり、リアのダンパーロッドを延長したりなど、いろいろやっているようだ。
しかし結論としていつものクロストレックの、そしていつものスバル車の「路面からの入力をしなやかに受け止め、意のままに車を動かせる感じ」に仕上がっている。
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