アウディのコンパクト高性能SUV・RS Q3は走りもデザインもベビーウルスだった
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:アウディ ジャパン 67
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:アウディ ジャパン 67
パワーソースは先代モデル同様の2.5L直列5気筒エンジン。中身は大幅に改良されて、アルミクランクケースだけで18kg、エンジン全体では26kgも軽量化され、17%向上した400psの最高出力と、480Nmの最大トルクを4輪駆動システムで路面に伝える。車両重量は1715kg(スポーツバックは1700kg)となり、0-100km/h加速は4.5秒の俊足だ。
ボディは先代比で全長が9mm長い4506mm。全幅も11mm広がった1851mm。全高は7mm高い1602mmだが、スポーツバックは45mm低い全高1557mmとなる。
外観は専用グリルやブーメラン状のエアインテークを採用した迫力の顔つき。リアの大型楕円形マフラーや、スポーツバックではワイド感を強調する水平方向のアクセント造形も加えられている。室内ではハニカムパターンのスポーツシートやRSレザーステアリングなどが奢られる。ボディカラーのせいもあるが、タイヤ周りが大きく張り出して腰下にボリューム感が出たことによってランボルギーニのSUVモデルを彷彿させる“ベビーウルス”的な迫力を醸し出している。
氷雪路面×スタッドレスという環境では正確な判断は難しいが、シャシーはノーマルより1cm車高が下がる専用サスペンションが装着されているものの、走行モードを「オート」にして走る限り、スポーツカーとしては快適なレベルだ。一方、走行モードをダイナミックにすると、乗り心地を含めて豹変するので注意が必要。このように走行モードで乗り味が大幅に変わる特性も、ベビーウルスと表現したくなる部分と言える。
一番わかりやすいところではハンドルの重さが変わる。グリップレベルの高い路面でのフィーリングを追い求めたせいか、ノーマルだと雪道ではハンドルが軽すぎて路面状況やグリップ変化が掴みにくい面もあるが、ダイナミックモードにするとその症状は改善して一体感が格段に高まるのだ。
エンジンの反応も大幅に鋭くなり、意思に直結したような吹け上がりをみせる。1→2→4→5→3という特殊な点火順序で燃焼する5気筒エンジンは不等長振動や音、脈動感が妙に心地よく、回転を上げるほどに排気音の粒が揃う印象だ。音質はV型らしいアメリカンサウンドと吹け上がり重視のスカッとしたヨーロピアンサウンドの中間的なイメージ。
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