走り出すとそれは、紛れもなくハチロクだった…伝説の「TRD N2 AE86レビン」が筑波で再び蘇った日
掲載 carview! 文:山田 弘樹/写真:市 健治 6
掲載 carview! 文:山田 弘樹/写真:市 健治 6
そのN2レビンを現在所有するのは、ハチロク専門店「コシミズモータースポーツ」。同社の代表である輿水好則さんは以前から筆者に、「いつかTRD号を、もう一度走らせよう」と言っていた。
その長年の想いが今回叶ったのは、この個体が「富士モータースポーツミュージアム」(※)に展示されることになったからだ。あとになって考えればそれはかなり無謀な話だったが、「博物館に行ってしまう前に、なんとしても走らせよう!」と相なったわけである。
そんなTRD号のコンセプトは、「N2マシンを現代に(と言っても1999年当時だが……)甦らせる」ことだった。
だからN2決戦では、当時まだ現役のレーシングドライバーであった土屋さんをもってしても、簡単には勝てなかった。チューニングカーはレーシングカーとは違い、自由奔放に作られていたからだ。
そのひとつの例が、車重だ。TRD号はN2決戦第2回当時で823kg(ガソリン残量を引いた数値)と、それでも普通に考えれば十分以上に軽かったが、プライベーターたちのなかで最も軽い車両は、700kg台前半をマークしていた。
TRD号が重たくなった理由は、6点式ロールケージやレース用安全タンクなど、プライベーターたちの模範になるべき安全装備を装着していたからだ。そして同じく、安全性を損なうリスクのある、過度な軽量化をしなかったからだろう。
※展示は10月中旬ごろからの予定。詳しくはhttps://fuji-motorsports-museum.jpを参照。(次ページに続く)
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