走り出すとそれは、紛れもなくハチロクだった…伝説の「TRD N2 AE86レビン」が筑波で再び蘇った日
掲載 carview! 文:山田 弘樹/写真:市 健治 6
掲載 carview! 文:山田 弘樹/写真:市 健治 6
新規で作られた簡素なインパネには、スタックのタコメーター。センタートンネル横のボックスにあるキルスイッチをオンにしてスターターボタンを押すと、クランキングの音が車内に鳴り響く。そこにアクセルをそっと合わせるだけで、フルチューンの4A-Gは爆音と共に素早く目覚めた。
筆者は当時、「ベストモータリング」や「ホットバージョン」、そして「AE86 club」を夢中になって見た貧乏な“ハチロク小僧”だったから、いざ動かす番になってその恐れ多さに体がこわばった。ヘルメットをかぶる前の顔が真っ青になっているのを周りにからかわれたが、自分でもまったく、その緊張をほどくことができなかった。
だがしかしーーーー。
走り出すとそれは、紛れもなくハチロクだった。それも飛びきり純度の高いハチロクだ。エンジンの特性は予想以上にフラットで、スリックタイヤの助けもあって、200馬力のパワーに恐怖は感じなかった。
それより残念だったのは、電圧の関係か急にタコメーターが動かなくなってしまったこと。輿水さんには「音で判断してくれれば大丈夫!」と笑いながら送り出されたが(一応は信頼を得ているのだろう)、「無茶言うなぁ……」とこちらも苦笑いしたのは実にハチロクらしいエピソードだ。
とはいえ博物館入り直前のマシンを壊すことなんて到底できやしないから、どこまでも回せそうなエンジンの、音色が澄んだところでシフトアップを行った。ストロークが極端に短いシフトノブを次のギアに入れると、5速フルクロスのミッションが最小限のドロップで次のギアへとつながり、再びエンジンが勢いよく高回転を目指す。
脳天をつんざくような過激さこそないがそれは、紛れもなく研ぎ澄まされた4A-Gのフィールで、車内に共鳴するサウンドが、ヘルメットごしでも最高に気持ち良かった。
(次ページに続く)
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