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テスラ・モデルS 最強の「P85D」に試乗。より洗練された“狂気”

紳士的な身のこなしにも磨きがかけられた

何度試乗しても最初はこの加速の鋭さに気を取られてしまうのだが、当然ながら緩やかに踏めば緩やかに加速するわけで、そうした時のモデルSはジェントルなサルーンだ。ステアリングのアシストは軽すぎず重すぎず、ステアフィールも良好。大きな車体を感じさせず、思い通りに扱うことができる。

足まわりのチューニングも煮詰められ、過去に乗ったどのモデルSよりも乗り心地は快適だった。ただし、これは前席に限った印象で、後席では少し硬さが気になった。大きなクルマでも前席優先というアメリカ車の特徴をモデルSもしっかり受け継いでいる。

他の多くのクルマ同様、通常の走行ではドライバーが4WDであることを感じることはない。詳しい前後トルク配分のロジックは明らかになっていないが、資料を見る限り、低負荷時にはリアモーターを休ませているようだ。

これは検証できていないのでなんとも言えないが、同じバッテリー容量の場合、カタログ上はシングルモーターよりもデュアルモーターの方が効率が高く、航続距離が長い。低回転時から大トルクを発揮するEVの場合、4輪に分散して路面にトルクを伝える方が有利なのだろうか……。

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