マツダ アクセラディーゼルで挑んだ富士スーパーテック24時間の結末は!?
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:MZ Racing
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NOPROについて少しだけお話しよう。NOPROはマツダ車の有名チューナーであるノガミ・プロジェクトの愛称。ボスである野上敏彦氏は元マツダ・スピードの一員であり、あのMAZDA 787Bが制したル・マン24時間耐久レースにも参加した人物。また自らもドライバーとしてグループCカーや、全日本GT選手権(現スーパーGT)に参戦した経験を持つ人である。
そしてNOPROは、今シーズン17号車のDXLアラゴスタNOPROアクセラSKY-Dと、37号車のDXLワコーズNOPROデミオSKY-Dを、それぞれST2クラスとST5クラスで走らせている。そう、2台ともディーゼル・エンジンを搭載したレーシングカーなのである。
なぜNOPROが絶対的なパワーやスピードが劣っていると知りながら直噴ディーゼル・ターボを闘いの武器として選んだのか? その理由のひとつは、多くのマツダユーザーがこれを選ぶのと同じ、燃費の良さからだ。スーパー耐久は文字通りの耐久レース。昨年、SKYACTIV-Dを搭載した37号車デミオは、給油回数の少なさを活かして着実にポイントをゲット。一発の速さはなくともホンダ勢やトヨタ勢をかわし、ST5クラスにおいてランキング2位という成績を上げているのだ(ちなみにクラスチャンピオンは♯88 村上モータース MAZDAロードスターND)。
それを野上氏はこう語った。「もちろん私たちがNOPROとしてこれまでやってきたことを考えれば、ST5クラスに新型ロードスターで参戦することは十分考えられました。しかしそれは、同じマツダを愛するチームがやってくれることでもあります。だとしたら、我々は自分たちにしかできないやり方でレースを闘いたいと思ったんです」
野上監督の脳裏には、きっと91年のル・マンがあったに違いない。レギュレーションを熟知し、敵地であるヨーロッパで地道な根回しをしながら787Bまでこぎつけた孤高の闘いっぷりは、ロータリー・エンジンとディーゼル・エンジンの違いこそあれ、レシプロのガソリンエンジンに闘いを挑む様と非常に似ている。
ちなみにNOPROは昨年デビューさせた17号車アクセラを、大排気量FRが中心となるクラスであるST3で戦わせて1年間をかけて車輌開発し、レギュレーション変更をして今年4WD/FFクラスであるST2へとステップアップさせた。これは事実上の三菱ワークス撤退からシュリンクしたST2クラスにおいて、万が一ライバルたちがリタイアしたときにアクセラが生き残れば、十分に勝ちが狙えるまでの速さがあると野上監督がイメージしていたからだとボクは思う。そしてその一大ステージが、このスーパーテック24時間だったのである。
※昨年の出場クラス表記に誤りがあったため訂正いたしました。(7月17日)
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