マツダ アクセラディーゼルで挑んだ富士スーパーテック24時間の結末は!?
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:MZ Racing
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しかし夜間のスティントは最悪だった。速さに勝るST-TCRクラスのアウディRS3 LMSが無理にこちらを抜こうとして、ダンロップコーナーの死角からリアにヒットしてきたのだ。これは相手側のペナルティだったが、チームとしてはそんなことは関係ない。24時間を走りきる上では、ノークラッシュが大原則なのだ。
始末の悪いことに同じくBコーナー立ち上がりで、進路を譲ったST5クラスのフィットがターンインに失敗し、またこちらのリアにヒットしてきた。これでボクはスピンを喫し、走行に支障はなかったけれど、大切なマシンとリアホイールを傷つけてしまった。1日に2度も同じことをやれば、気分は最悪である。
ただその後やはり同じコーナーで多重クラッシュが起こり、レースが赤旗中断となってしまったことを振り返ると、夜間におけるコーナーの見え方や路面の状況が、このポイントでは悪かったのかもしれない。また監督もこれをうるさく言わずにたしなめてくれたことには今でも感謝している。第3スティントでは再び谷川選手が走り、第4スティントでは野上選手も好走。そして明け方の第5スティントではS耐経験者である藤原能成選手が素晴らしく安定した速さを見せ、チームは順調にレースを進めていた。
かたやライバルたちは、優勝候補の筆頭である59号車スバルWRX STIが序盤でST-X車輌に突っ込まれて戦線離脱。ST2クラスは4台しかエントリーがなかったため、これで走りきることさえできれば表彰台は確実! と考えていたのだが……。59号車チームはBピラーからの切開オペを敢行してマシンを修復。なおかつ恐ろしいまでの速さで追い上げを開始し、なんと3番手のランサーを抜きに掛かっていた。
もう本当にこのときは「やめてくれ!」と思った。必死で表彰台をつかもうとしている自分たちを、後ろから狼が追ってくるような気分だった。あとから59号車チームのドライバーに聞いた話では、「2位までは見えていた」という。残念ながらその後はトラブルが頻発し結果的に25周遅れの4位でレースを終えたが、その諦めない底力には準ワークスの意地を見た気がした。
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