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クルマの電動化、最前線のコア技術に迫る

フランスのメガ・サプライヤーをたずねて

パリから北西に向かって小一時間ほど走った郊外の町、セルジーに向かった。普段、技術の取材をしていると、どうしても国内やドイツのサプライヤーに目を向けがちだが、ここにはフランスを代表するサプライヤーである「ヴァレオ」の頭脳があるのだ。

とはいえ、「ヴァレオ」という社名を耳なれないと感じる人も多いだろう。現在の社名を使い始めたのは1980年代のことだから、当然だ。しかし実は、ボッシュ、コンティネンタル、デンソーと並んで世界10大サプライヤーに数えられる規模である。馴染みが薄い人のために歴史をひもとくと、元々はフェロードのブレーキの輸入を手がけており、1923年にはライセンス生産をスタートした。早くからグローバル展開を進め、シビエやマーシャルといった旧車ファンならよだれが出そうなランプのブランドを傘下に収めて多角化をはかった。市光と資本・提携をしていたり、旧ゼクセルを合併してエアコン開発の拠点を置くなど、日本との関係も深い。

「パワートレイン」、「サーマル」、「コンフォート&ドライビング・アシスタンス」、「ビジビリティ」の大きな4部門にわかれるうち、セルジーにあるのはパワートレイン部門の研究開発だ。加えて、4部門を横断するCO2排出量の削減やハイブリッドなどの開発もここで担当している。

…と、ヴァレオの概要がわかったところで、そろそろ本題に移ろう。今回、セルジーを訪れた最大の目的は、電動スーパーチャージャーと48Vシステムだ。両者とも、そう新しいアイデアではないことはご存知の通りだが、あえて今、それらのソリューションを世に送り出した理由を探りにここまできたのだ。

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