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ファントム海外試乗。本当に乗り心地がよいクルマに出くわしてしまった

浮世離れかつストイックな最高峰ブランド

これまでに数多くのクルマを試し、多くのクルマを“乗り心地がよかった”と評した。今さらではあるが、しかしそれらすべてについて、“まあまあよかった”に訂正させていただきたい。先月、本当に乗り心地がよいクルマに出くわしてしまったからだ。そのクルマとは新型ロールス・ロイス ファントム。ベタだが真実なのでしかたない。最新のロールス・ロイスは紛れもなくベストカー・イン・ザ・ワールドだった。

英国南部のグッドウッドにあるロールス・ロイスの工場の玄関には「Take the best that exists and make it better(ベストなものを手に取り、それをよりよくしなさい)」という言葉が掲げられている。これは創業者のひとり、サー・ヘンリー・ロイスの言葉。本来、彼の言葉は「あらゆることに完璧を目指しなさい」で始まり、さっきの言葉があって、その後に「ベストなものがなければつくりなさい」と続く。なんてストイックなんだ。

そんな彼が1925年に国家元首やスーパースターなど、世界中のパワフルな人々向けのクルマとして世に問うたのが初代ファントムだ。突然だが、ここで現行ロールスのラインアップをご紹介。ファントム、ゴースト、レイス、そしてドーン。英語のニュアンスとしてはいろいろ違うのかもしれないが、ざっくり訳せば、幽霊、幽霊、幽霊、そして夜明け! 突然夜が明けて、世界中の顧客は戸惑ったのではないか。それくらい幽霊づいているメーカーだ。なぜならどれも幽霊のように静かだから。

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