スズキのデザイン力が炸裂! 話題の「イグニス」、完成度はいかに?
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:篠原 晃一 1
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イグニスはキッカケを与えると素直に四輪もろともヨーを発生するので、荷重移動を積極的に活用して走りやすい。ロールやピッチング方向の動きも自然かつスムーズなので、タイヤのグリップ感も把握しやすい。そしてなにより車重が圧倒的に軽いので、少しばかり強引に振り回したところで“手のウチ感”が損なわれることもない。
こういう場面では、エンジンブレーキを細かく調整できるパドルシフトも重宝する。さらに、感心したのはフロントシート。このクラスとしてはサイズも立派で、座り心地とホールド性のバランスも良好だ。
イグニスをどう評価するかは、Aセグメントのサブコンパクトカーに、どれほどの走りと快適性を期待しているかにもよるだろう。少なくともマーチやパッソ/ブーン、そして同門のソリオとの比較では、イグニスはもっともよく走って、スポーティで高品質なクルマである。前記のように、ドライバーズカーとしてちょっとエンスーな味わいもある。
さらには、今や必須装備の事前察知安全性については、間違いなくクラストップだろう。自慢の「デュアルカメラブレーキサポート」が、高速道でも前走車や車線を着実に検知することは、今回も確認できた。ナビや音楽などiPhoneの機能を車内で使える「Apple CarPlay(アップル・カープレイ)」を国産車でいち早く純正展開するのも、フットワークの軽いスズキらしい。
穏健グレードでこういう走りを見せてくれるのなら、個人的にはもう少しシャシー&ボディを強化した“高性能イグニス”に思いを馳せたくもなる。ただ、欧州でエスクードなどに搭載されている1.4リッター直噴ターボや、スイフトスポーツの1.6リッターを、Aプラットフォームのイグニスにそのまま移植するのは簡単ではないらしい。となれば、次の一手はどうしてくれるのか? 期待したい。
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