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エヴォーラ試乗、AT&高性能版の乗り味は?

マニアック路線からの脱却

ロータスといえば、第二次大戦終結から間もない1948年、コリン・チャップマンという若者が造り上げた小さなスペシャルに始まるイギリスのスポーツカーメーカー。その成長期の1950~60年代には超軽量設計を特徴とするスポーツカーやレーシングカーを数多く輩出したことによって、小型軽量でハンドリングに優れたクルマを生み出すブランドとして世界中のエンスージアストから認知され、マニアに熱く支持されてきた。

ロータスはこれまでの歴史のなかで何度かの転機を経てきたが、実は今また新しい転機を迎えている。1995年以来、マレーシアのプロトンがスポンサーであることに変わりはないが、2009年にフェラーリから新しいCEOとチーフデザイナーを迎え入れ、去年のパリサロンにこれまでのロータスより大きいサイズのコンセプトカーを5台も出展、それらすべての実車を2015年までに市販に移すという大胆な計画を公表した。

つまり今のロータスは、チャップマンが築いた小型軽量で先鋭的なスポーツカーを生み出すエンスージアスト向けのスペシャルなメーカーというスタイルから、高性能で高価なスポーツカーを富裕層に向けて送り出すフェラーリやアストンマーティンのようなブランドへと、大きく変身しようとしているわけだ。

 

そういう新たなる野望に燃えた現行ロータスから、従来型で最も上級のモデルである3.5リッターV6ミドエンジンのエヴォーラに、2つのバリエーションが追加された。1970年代半ばに発表され、90年代初頭まで生き残った2代目エリート/エクラ/エクセルのAT仕様以来およそ20年ぶりの2ペダルロータスとなる「エヴォーラIPS」と、MTの高性能版「エヴォーラS」がそれである。

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