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スマートに新機能!mhdでエコ度大幅アップ

長い苦悩の時代のあとで

常に一歩先を行くスマートの歩みは少しもとどまることを知らない。もともと時代に先駆けたコンセプトを提示して生まれ、10年以上の時が過ぎてようやく時代がスマートに追い付いてきたが、それでもなおスマートは時代の先端を行く。

スウォッチとのコラボレーションによって自動車らしからぬ魅力を振りまき話題を呼び、欧州中に散らばっていったスマートたちは、狭い路地で縦列駐車ならぬ“横列駐車”を可能としたことで確実に街の景色を変えた。微笑ましい光景だったが、実はインフラを変えずともモビリティの側から変わる術があることを静かに物語るものでもあった。

そうして日本にも上陸し、感度の高い人たちに強く訴えかけた。決して台数は多くないが、当時既に自動車への興味を失っていた人や他とは異なる個性を求めていた人の心に、確実に響くものとしての広がりを見せたはずだ。

もっともそこから先はスマートにとって、長い苦悩の時代になる。欧州にある程度の台数が行き渡り日本でも需要が飽和。4人乗りのスマート・フォーフォーで活路を見出そうとしたが、予想を上回るほどではなかった。結果としてスマートは誕生から2006年まで一度も黒字にならず、市場からの撤退の噂すら立ち始めていたほどだったのだ。

しかしそのコンセプトが決して間違いではなく、むしろ時代の最先端だったことが、図らずも時代の大変化によって明白となる。2007年のフラクフルトショーは、CO2という言葉がクローズアップされたショーだった。この時、スマートのブースには現行モデルのディーゼル仕様が展示され、ボディサイドに「88g/kmCO2CHAMPION」と記され、どのクルマよりも堂々と鎮座していた。

そしてこの年、スマートはついに大西洋を渡りアメリカへと上陸を果たした。ピックアップトラックとV8の国で、今では既に2万台以上の販売実績を残しているのだ。

2008年、アメリカの次期大統領が決まったことで、世の中には「change!」という言葉が溢れている。奇しくも経済が危機的状況となっているだけに、この言葉には今、多くの人々の願いがこもっているように思える。

だがスマートはそんなchangeに先駆けて、アメリカで増殖を始めている。ピックアップの荷台にすら乗りそうな小さな1.0リッター直3エンジンを搭載したクルマが、である。そんなchangeの度合いは、時代を変えようとするオバマ次期大統領の言葉よりも大きい。

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