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豊田社長自ら「これじゃダメ」と開発を止める。モータースポーツの現場でGRカローラが手に入れた“野性味”とは

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野性味が足りない

「野性味が足りない」。マスタードライバーでありトヨタ自動車のトップを務めるモリゾウこと豊田章男氏が、GRカローラの開発初期にメンバーに突き付けた言葉だ。

6月1日、TOYOTA GAZOO Racing(以下:TGR)は「GRカローラ」の日本仕様グレードである「RZ」、ならびに「モリゾウエディション」を世界初公開した。

「カローラ」は1966年に発売されて以来、シリーズ累計販売台数が5000万台を超える世界最量販車種。文字通りトヨタの屋台骨を支える1台である。そして、豊田氏が初めて自分のお金で買ったクルマが「カローラ1600GT」。豊田氏のカローラへの思いは強く、GRカローラでは自ら先頭に立って開発が進められたという。

「カローラは、各地域のお客様のニーズや利便性に応え、変化し続けることで長い間販売し続けることができた。それと同時にモータースポーツにも非常にゆかりのあるクルマ。トヨタが初めてWRCで優勝したのもカローラで、量販車ベースのレーシングカーとして、モータースポーツを起点にいいクルマを作るというモリゾウが掲げる理念の元祖でもある」

GRカローラの開発を担当した坂本チーフエンジニア(以下:坂本CE)はカローラについてこのように話す。思えば、トヨタのスポーツカーの代表車種で今なお絶大な人気を誇る”ハチロク”の正式名称は、「スプリンタートレノ」と「カローラレビン」である。

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