BMW Mのエンブレムが意味する深淵を知る
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆、編集部/写真:菊池 貴之、BMWジャパン
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆、編集部/写真:菊池 貴之、BMWジャパン
Mモデルを前にして、見た目が大人し過ぎると思う方、さらにはそれを残念に思う方は少なくはない。その思いや気持ちは十分に解る。なぜなら、私自身が昔そうだったから。しかし今では能力をひけらかさず、むしろひた隠しにするようなMモデルの形貌に、性能の高さを秘めた“本物感”すら得るようになった。なぜならMモデルの見た目に秘められた理由や意味を知り、それを理解し納得したからだ。
何事も、自身の知識や経験から培った判断基準でしか評価・判断はできない。例えば、大人が魅力的に感じるモノだからといって、子供が同じく魅力を感じるとは限らない。それは経験や知識が異なり、物事を判断する基準となる物差しが異なるからだ。
だからこそ改めてお伝えしよう。Mモデルがなぜあのような“大人”な見た目で仕上がっているのか。それを知り、貴方の物差しを更新しても、大人しいと感じる方もいるだろう。しかし、少なくともMというクルマの見方は変わるはず。
Mとはレーシングカーを一般道に適した仕様にしたモデル。レーシングカーに象徴的なリアウィングは市販のMモデルには装着されない。なぜなら効果が絶大な分、調整はとても繊細。レースなどの限られた場所を、限られた時間だけ走り、さらにはその時々の環境に合わせて微調整可能な体制が取られている状況なら使いこなせるので意味をなす。しかし一般道のように、風の強さも風向きも、そして天候も走る速度域も様々な状況下では、大きな影響力を持つアイテムは、その効果を一定して発揮させることができない。しかも安全性や燃費性能が犠牲になることを踏まえたら、Mモデルに採用されていない理由が解るはず。
Mモデルがこだわる空力パーツは、実は目に見えづらいところにある。なぜなら、それは風向きや走行速度などの走行環境に左右されず、比較的安定して効果を発揮する場所だからだ。具体的にはボディ底面、そしてトランク形状を盛り上がらせたリアウィングや、過給器のエアインテークの役割を果たすフロントバンパーなど、空気の流れを定めやすい、ボディとの一体成形によるパーツとして現れる。
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