ホンダらしい走り!新型インサイト【後編】
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:中野 英幸、ホンダ技研工業
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:中野 英幸、ホンダ技研工業
もっともハンドリングにおいてそうした絶大な特長がある分、ドライブトレーンが生む動力性能から感じるフィーリングはプリウスほど際立ってはいない。これは前編でも説明した通りで、インサイトのモーターはエンジンのクランクシャフトと同軸にあるため、プリウスのようにモーターのみの走行という未来的なフィーリングや印象を伝えづらい側面があるからだ。この辺りをして多くの人は「ハイブリッドらしさが薄い」「ハイブリッドの特別感がない」と記す。しかしこれも裏を返せば、「これまでのガソリン車からの乗り換えで違和感を覚えない」という点につながる。
さらに僕が今回インサイトを高評価する理由として、エコドライビング・アシスト・システムの採用も挙げたい。僕は走りにも感心したが、それと同じかそれ以上にこのシステムに強く感じ入った。エコドライビング・アシスト・システムは、インサイトを運転する人のドライビングをしっかりとモニターしてアドバイスやティーチングなどをしてくれる装備。それは様々な要素で構成されるが、例えばアクセル開度で色が変わるアンビエント・メーターや、メーター内のアクセル開度をガイドするモニターは、いかに効率よくクルマを走らせるかの指標として使えるし、何より無駄をなくしてくれる。
さらにドライビングがスムーズなほど走行後にスコアが葉っぱで表示され、それが育ったり枯れたりするユニークな発想を盛り込むことで、エコドライブを楽しく訴求しようとしている点が新しい。確かにこれまでのクルマにも燃費計はあり、プリウスなどでは燃費を詳細に把握することができたが、インサイトではさらにそうした機能を“積極的に楽しむ”発想が盛り込まれていることに感心できるわけだ。
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