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新型CTSに試乗。豪華、快適、スポーティ

100kg軽量化でグッドハンドリング

新型CTSはアルミ部材を多用することで先代よりも約100kg軽量化している。また構造用接着剤を長さにして118m分も使うことで、ボディ剛性を先代比40%向上したという。この高剛性ボディに前後マルチリンクサスが組み合わせられ、さらにダンパーにGM自慢のマグネティック・ライドコントロール機能を盛り込んでグッドハンドリングとコンフォートライドを実現…などと書くとプレスリリースそのままのようだが、ホントにハンドリングはレスポンシブでキビキビとしていて、乗り心地は快適そのもの。また、2L直4ターボエンジンはパワフルなだけでなく、6気筒に比べ小さく軽い。ボンネットフードを開けると、エンジンは前車軸よりも後ろに収まっていた。このあたりもグッドハンドリングに貢献しているはずだ。

「ボロクソに書かれたっていいからとにかくドイツのプレミアム・サルーンと比較してほしい」とはGMジャパンのジョージ・ハンセンさんの言葉。新しいCTSに相当の自信があるのだろう。ではCTSは完璧かーー。確かにボロクソに書くような部分はない。ただし、いくつか日本で売るのに不都合な真実がないわけではない。

まず左ハンドルのみなので女性が敬遠しそう。そしてアイドリングストップがない。聞けば理由は結構単純で、アメリカ人はアイドリングストップが嫌いらしい。加えて全車速追従のクルーズコントロールがない。右ハンドルもアイドリングストップも全車速追従クルコンもドイツ勢には当たり前。このあたりが備われば日本でも本当にいい勝負しそうなだけに少々惜しい。

2012年に登場したATSは素晴らしい出来栄えで、サイズも日本で使うのに適切だったので話題を呼んだ。日本でATSを買った人のうちの60%が初めてのキャデラックオーナーだったそうで、新しい客を呼びこむのに成功している。CTSもATSと同等かそれ以上に素晴らしいと感じたので、初めてのキャデラックオーナーを増やすのではないだろうか。その分、メルセデス・ベンツかBMWかアウディかジャガー、あるいはレクサスあたりのどこかが少し割りを食うわけで、日本市場の、ほぼ固定化されたプレミアムサルーンの勢力図を少し(ほんとにほんの少しだろうけど)書き換えるかもしれない。

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