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ジャガー最速の量販車! XKR-S ポルトガル試乗

ジャガーらしい身のこなし

XKR-Sの試乗会は、ポルトガルのアルガルヴェにあるサーキットで開催された。というのも、このクルマ、開発はテストセンターも含めてすべてドイツのニュルブルクリンクをベースに行われたという。かなり過酷で特殊なサーキットだが、アップダウンに富みブラインドコーナーの多いアルガルヴェのコースは条件的にニュルブルクリンクに近い。さらに、ポルトガルは天候にも恵まれているため、試乗ステージとして選ばれたわけだ。

周回数が限られるため、コーナーのクリッピングポイントにはパイロンが置かれ、助手席にはこのサーキットのインストラクターが同乗してナビゲートしてくれた。

クルマのスペックを紹介しておくと、XKRに対して車高が10mm下げられ、スプリングレートは前後とも約30%増加している。アダプティブダイナミクスもリセッティングされ、ピッチやロール量を減らしたボディコントロールがなされる。軽量ホイールによりバネ下重量は4.8kg削減されている。

そしてエンジンは、XKR-Sに搭載されるV8 ・5リッター直噴スーパーチャージドをベースに燃料供給マップの見直しにより、40ps/55Nmのパワーアップが図られ、最高出力550ps、最大トルク680Nmを発揮する。

さらに、サーキットにおいて重要な存在となるのが“DSC”。横滑り防止の介入のしきい値をどこに置くかによって、運転の気持ちよさや速さが変わってくる。

まずはスタンダードの状態でコースに入る。軽快な加速感ではあるが、数値からイメージするような凶暴さはなく、ジャガーらしい躾けられた身のこなしは損なわれていない。つまり、リセッティングの内容からもわかるように、やみもくにパワーアップを図ったのではなく、ボディやシャシー、前後バランスなどトータルでチューニングを施しているため、エンジンだけが先走るような、ドライバーが不安を覚えるアンバランスさがない。

DSCが邪魔になるという印象もないが、コーナーのRやアクセルの踏み方によってはDSCが作動し、守られている感がある。

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