ジャガー最速の量販車! XKR-S ポルトガル試乗

ジャガーの美徳を貫くインテリア

インテリアも、デザインこそスタンダードモデルと基本同じだが、ウッドパネルとレザーの組み合わせがクラシカルな雰囲気を醸し出しているそれとは一線を画し、ブラック基調でスポーティさをアピールしている。とはいえ、高級感も損なわれていない。エボニーペイントのスイッチ類や、グロスブラック仕上げのセンターコンソールなど、光沢のあるブラックは深みがある。試乗車はオプションのダークリニアアルミニウム仕上げのパネルを、ウッドパネルのかわりに装備していた。

ヘッドレスト一体型のパフォーマンスシートもXKR-S独自の装備だ。カーボン調のレザーシートにパイピングが施され、ヘッドレストにはR-Sの文字が入る。エクステリアデザイン同様、機能とデザインがうまく融合されている。座ったフィット感はジャガーの優雅さをスポイルするものではないが、それでいて、走行時にはしっかりサポートしてくれる。16ウェイの調整機能を備えるパワーシートも、理想的なポジションが取りやすく快適性を高める要因といえる。

このセグメントの場合、「速さ」をファーストプライオリティに考えるクルマは、フルバケットだったりリクライニング機能が装備されないこともある。だが、ジャガーはあくまで快適性や高級感を犠牲にしていない。機能をシンプル化する理由として軽量化があるが、ジャガーはアルミボディのアドバンテージがあるため、快適性と機能性を両立できるのだ。