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新型Cクラスで見えた メルセデスのブランド学

2000箇所の変更で極まった“質感”

最近のドイツ車のクオリティアップは凄い。販売世界ナンバーワンの“トヨタ越え”を目論むVWはもちろん、BMWもポルシェも例外なく製品クオリティを高めている。

これはおそらく日本にはないマインドで、日本車がエコ化やハイブリッド化に懸命になる代わりに、質感はキープどころか逆にチープ化してる? と思えるくらいなのに対し、ドイツ車は全く手を緩めてない。それどころかますます手応えを感じているようにも見える。“質感は世界を制す”のだと。

実際、自分自身を振り返っても思うが、新興国はともかく、欧州や北米、日本のようなユーザーは必要以上に質感やコストに対する感覚が鋭い。だからエコ化やリサイクル化と同時に質感までダウンすると「やっぱり…」と思ってしまうが、逆にクオリティアップがなされていると「どんなミラクル使ったんだ!」「スゲェ!」となるのだ。

結果、その感動はブランドロイヤリティとなって残るのである。これがいわゆる最近のcarviewジャーナリスト達が輸入車、特にドイツ車に関して感じる危機感であり、日本車との差の本質なのだと思う。

ある意味、その象徴とも言えるのがこの新型メルセデス・ベンツCクラスなのかもしれない。デビューは07年と4年前で、今回は一応マイナーチェンジなのだが「2000箇所」とも言われる改良ポイントもさることながら、実際に見て、触って分かる質の向上が凄い。ヘタなフルモデルチェンジも真っ青な変更がなされている。

分かり易いところで言うと、外板は鉄板以外はほぼ全て新しい。それどころか一部鉄板も新しくなっている。ボンネットは軽量化もあってアルミ化されているし、第一印象に効くヘッドライト、リアコンビネーションライト、前後バンパーもデザインが変わってよりアグレッシブになっている。

インテリアもそうだ。ざっと目に付く部分、ダッシュボードやドアの上部トリム、インパネ中央部はデザインから素材まですべて変わっている。

欧州車はモデルイヤーごとにどんどん細かく改良していくので、フルモデルチェンジ直前が最も買い時という説も根強いが、マイナーチェンジ後もまたしかりなのだ。では詳しく見ていこう。

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