【17位転落の衝撃】ホンダ「フィット」が売れていない？ ライバルに大敗で“存在感が薄い”本当の理由とは

フィット

室内の広さと静粛性、パッケージ力に今も光る部分はある

とはいえ、フィットには依然として評価すべき点が多い。まず特筆すべきは室内の広さだ。

全長4m前後というコンパクトなサイズながら、後席の足元や頭上空間は広く、クラストップレベルのパッケージングといえる。これはホンダ独自のセンタータンクレイアウトによって実現されたもので、実用性という意味では健在である。

また、シートアレンジの自由度も高く、買い物から週末のレジャーまで幅広く対応する柔軟性を持つ。ライフスタイルの多様化に対応できる「日常使いの道具」としての完成度は高い。

加えて、「e:HEV」モデルの静粛性も見逃せない。街乗りではモーター主体の走行が多く、エンジン音はほとんど気にならない。加速やブレーキのフィーリングも自然で、運転中のストレスが少ない。

ヤリスが「走り」、ノートが「電動感」なら、フィットは「快適性」や「実用性」で魅力を示している。売れていないからといって、クルマとしての価値まで否定するものではない。