【覚えてますか?】荷室に“専用バイク”を搭載する「シティ」はホンダの天才的発想から生まれたコンパクトカー
掲載 carview! 文:横田 宏近 20
掲載 carview! 文:横田 宏近 20
ホンダは、シティを単なるベーシックカーに終わらせることなく次々と話題作を投入し、フレッシュなイメージを持続させた。その第一弾が1982年9月に発表されたターボだった。
ホンダ初の電子制御燃料噴射装置「PGM-FI」と、IHI製ターボを組み合わせたスパイシーなモデルで、100psの最高出力を発揮した。圧倒的な瞬発力とキビキビとしたハンドリングで、若者のアイドル的存在となった。ボンネットのパワーバルジ、非対称グリル、専用チューンの足回り&ブレーキを採用し、とにかく走ることが楽しいクルマに仕上げていた。
そして、そのターボの魅力をさらに鮮明にした究極モデルが、1983年10月に登場した「ターボII」だった。パワーユニットにインタークーラーを加え、最高出力を110psにスープアップしたホットバージョンで、そのパワーを路面にしっかりと伝えるため、前後ともブリスターフェンダーが与えられ、トレッドを大幅に拡大。
その特徴的なルックスから、「ブルドッグ」の愛称で呼ばれた。4000rpm以下でスロットルを全開にしたときに限り、10秒間だけ過給圧を10%高める「スクランブルブースト機構」を備えていたのも話題だった。
走りは鮮烈だった。とくに加速の鋭さには目を見張るものがあった。ターボIIに信号からの加速で敵うクルマはほとんどなかった。高速道路でもほぼ無敵だったが、ワインディングでは増強されたパワーのため、丁寧な操作をドライバーに要求した。
(次のページに続く)
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