次期「ボクスター/ケイマン」は冷却問題で苦戦中、EV販売も大幅未達。ポルシェの先が読めない
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏 31
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「718シリーズ」と呼ばれる現行「ボクスター/ケイマン」(開発呼称982)の“電動モデル”の開発コードは「983」である。983型は今年の夏までには発表されると噂されているが、昨年秋まではニュルブルクリンクで、そして現在ではスカンジナビア半島の北極圏で最終テストに臨んでいる。
>>次期718ボクスター&ケイマンのテスト風景をギャラリーで見る
スクープ写真から想像できるようにデザインとパワートレーンのレイアウトは現行の内燃エンジンモデルを踏襲するキープコンセプトだ。つまり、重量の嵩張る電池をリアアクスル前方に搭載する、いわゆるミッドシップ・レイアウトである。
ところがここに問題が発生しているようだ。これまでほとんどのBEVは床下にフラットに電池を並べており、その表面を空冷あるいは水冷方式で冷却している。しかしミッドシップの場合、パワートレーンの前方にパッセンジャーキャビンがあり、そことはしっかりとしたバルクヘッドで遮られている。
それにコンパクトさが求められる電池は“直方体の塊”なので、冷却に際しては難問が山積みらしい。冷却重視で密度を減らして全体の容量を小さくすると、今度は航続距離の問題も出てくる。
不思議なことにテスト車のボディサイドには冷却用のエアインテークらしいものは見当たらない。現在、バッテリーパックのサプライヤーであるヴァルメット社と共同で最終的な解決策を模索しているらしいが、2025年の年内発表は難しいかもしれない。
現行の「982」シリーズは内燃エンジンモデルである。ボクスターとケイマンは内部情報によれば2025年9月には生産を止めるスケジュールになっており、もし電動モデルの発売が遅れると売り物が無くなってしまう。
(次のページに続く)
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