止まらない快進撃、新型インサイトに試乗!
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:中野 英幸、ホンダ技研工業
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:中野 英幸、ホンダ技研工業
「環境性能や燃費に優れる」という要素は、「ハイブリッドを搭載する」という要素によって現在のコンパクトカー中で当然トップの数字を実現している。それを実現したのが、ホンダのハイブリッドシステムであるIMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)。極めてシンプルな構造が特徴だ。
IMAではエンジンとCVTの間に薄型モーターを与え、その名の通り主力はエンジンで、モーター・アシストを融合する仕組み。エンジンが生む力とモーターが生む力は同じ軸を介してトランスミッションに伝わる。対してプリウスのハイブリッドシステムTHS-IIは、エンジンの力とモーターの力を動力分割機構を通してタイヤに伝える力と発電機を回す力に振り分ける複雑な仕組みとなる。
もっともその分プリウスはエンジンだけでなくモーターを使う領域も圧倒的に増えるし、純粋にモーターのみで走行するEVモードがある。とはいえ、インサイトもモーターのみの力で走行するモードがある。条件にもよるが、駆動力をさほど必要としない領域(主に低速域だが条件次第でそうとは限らない)では、エンジンが全気筒休止してモーターの力で走行する。バッテリー容量などの条件が揃えば45km/h以下の低速ならモーターの力で約1kmの走行が可能だ。もっともこの時のエンジンはバルブ作動を行わず全気筒を休止するものの、モーターと同軸にあるクランクシャフトは回る。だから感覚としてモーターのみの走行時とエンジン作動時の違いがわずかなため、体感では分かりづらい。それでも感覚を研ぎすませば、ちゃんとモーターのみの走行と分かる。
ちなみにインサイトのモーターは、シビックハイブリッドのそれより薄型/軽量化された。またバッテリーとPCU(パワー・コントロール・ユニット=コンバーターやインバーター、制御機器等)を二段重ねで一体化することで、小型軽量のIPU(インテリジェント・パワー・ユニット)として、荷室下での収納を可能とした。つまりインサイトのハイブリッドを構成するパーツは、その全てにおいて“小さく軽く”が徹底されている。このことで、他モデル(例えばフィットなど)へのインストール性の可能性も広げたわけだ。こうしてシンプルかつ小型軽量化されたハイブリッドシステムと、5ナンバーサイズゆえのコンパクトなボディで軽量(1190kg)を実現し、10・15モードでは30km/Lの低燃費を実現した。
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