三菱 エクリプスクロスは中間グレードのGがお買い得、予算があればPHEV。ライバルのヴェゼルやXVと比べると?
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:望月 浩彦 60
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:望月 浩彦 60
現在販売されている三菱 エクリプスクロスのグレードラインナップは下記のとおりです。
【ガソリンモデル】
●M(2WD)|253万1100円
●M(4WD)|275万1100円
●G(2WD)|286万7700円
●G(4WD)|308万7700円
●G Plus Package(2WD)|312万6200円
●G Plus Package(4WD)|334万6200円
【PHEVモデル】
●M(4WD)|384万8900円
●G(4WD)|415万2500円
●P(4WD)|447万7000円
ベーシックな「M」でも、ガソリンモデルもPHEVモデルも普通に十分な装備レベルであり、運転支援システム「e-Assist」は全車標準装備です。
ただ、「M」を選ぶとアダプティブ・クルーズ・コントロールが装着できない点と、シート表皮がファブリックになる点(※PHEVモデルのMは上級ファブリック)、ヘッドランプがLEDではなくハロゲンになること、さらにはホイール径が18インチではなく16インチになる点は、気になる人は気になるかもしれません(※PHEVモデルのMは18インチ)。
またガソリン車のMは前席がパワーシートではなく、エアコンの温度設定が左右独立式ではないという点も、地味に残念なポイントです。
そのため、「シンプルな感じ」を好む人はMでいいと思いますが、一般的にはG以上を選ぶのが得策ではあるでしょう。そのうえでガソリンの「G Plus Package」またはPHEVの「P」を選択すれば、よりゴージャスなニュアンスにはなりますが、中間グレードとの装備差はさほど大きくはないため、中間の「G」で十分と感じる人は多いはずです。
以上は「装備の差」を軸に考えたグレード選びですが、ガソリンモデルの場合は「2WDにするか、4WDにするか?」という問題や、「そもそもガソリンモデルを選ぶか、それとも、ちょっと高いけどPHEVモデルにするのか?」という根本的なグレード選びはなかなかの難問です。
まずガソリンモデルの「2WDにするか、4WDにするか?」という問題については、これはもう「使い方次第」でしょう。
「悪路や雪道を走る機会はほとんどない」という人であればお安い2WDで十分ですし、レジャーやその他の用事で雪道などを走る可能性がそれなりにある人は、22万円高くはなりますが、三菱自慢の電子制御4WDシステムを選ぶことをおすすめしたいと思います。
そして「ガソリンモデルを選ぶか、それともPHEVモデルにするか?」というのはかなり難しいのですが、結論としてご予算に余裕があるのであれば、PHEVモデルを選ぶに越したことはありません。前述したとおり、三菱 エクリプスクロスのPHEVモデルは日常のほとんどのシーンをEVとして走ることができ、なおかつ普通の舗装路における走行フィールと性能もかなりバツグンであるからです。
ただ、PHEVモデルの場合は自宅に充電設備がないことには本領を発揮できませんので、集合住宅にお住まいの方には向いていません。また戸建てにお住まいの方でも、充電設備を新たに設置し、そして意外と高額なエクリプスクロスのPHEVモデルを買うにはけっこうな予算がかかりますので、二の足を踏む場合も多いでしょう。
このあたりについては「人それぞれの事情」に基づくしかないので、筆者からは何も言えません。ただ、「カネさえあればPHEVがおすすめ」とは申し上げておきます。
三菱 エクリプスクロスのライバルとなる車種は、「コンパクトクロスオーバーSUV」という超激戦区だけあって、たくさん存在します。「ホンダ ヴェゼル」と「スバル XV」はほぼ完全にバッティングしますし、ちょっとサイズは異なりますが「トヨタ RAV4」や「RAV4 PHV」、「スバル フォレスター」あたりも、場合によっては競合するでしょう。
そのなかで、さしあたってバッティングするホンダ ヴェゼルと比較してみますと、車内の広さはおおむね互角ですが、もしも「燃費性能」を重視するのであれば、ホンダ ヴェゼルのe:HEVが圧倒的に有利です。しかし「スポーティで一体感のある走り」に関しては――それはヴェゼルも決して悪くないのですが――三菱 エクリプスクロスのほうが一枚上手といえます。
スバル XVとの比較で考えると、これまた車内の広さなどはおおむね同等で、走りの爽快感や安定性についても、4WDのみであるスバル XVと、三菱 エクリプスクロスの4WDは「高いレベルでおおむね同等」と言えそうです(人によってはエクリプスクロスの4WDのほうが上と言うかもしれません)。
それゆえ、好みに応じてどちらを選んでも良いとは思うのですが、実燃費はXVよりもエクリプスクロスのPHEVモデルのほうが上です。また「ほぼEV的に使える」という点でも、XVよりエクリプスクロスのほうが優れていると評価できます。ただしエクリプスクロスのPHEVモデルは車両価格がXVよりずいぶん高いため、「トータルコスト」はやや微妙かもしれませんが。
とはいえ三菱 エクリプスクロスはガソリンモデルもPHEVモデルも、価格やコストうんぬんではなく、その「走りの質」という一点において選んでしまっても何ら問題がないぐらい、素晴らしい走行フィールを披露してくれるクロスオーバーSUVです。
爽快に、スポーティに走れるコンパクトクロスオーバーを探している人には、ぜひおすすめしたい一台なのです。
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