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アメリカで最も売れているフォードF150にEV版の「ライトニング」が登場。日本人の想像の上を行く衝撃が走る理由とは?

先進機能も最先端、カーゴスペースには重量計も装備

電池の容量に関しての情報は公開されていないが、F150 ライトニングの航続距離はスタンダードモデルで230マイル(約370km:EPA目標推定値)、大容量バッテリー搭載モデルで300マイル(約480km:同)と発表された。ピックアップトラックのドライビングパターンは様々なので、果たして300マイルが妥当かどうかは微妙だ。

電池は液冷で、交流及び直流での充電が可能。大容量バッテリー搭載モデルは最大150kWの超急速充電に対応しており、15%から80%までの充電時間は標準バッテリーが44分、充電性能の高い大容量バッテリーは41分で完了する。

F150ライトニングへ電池を供給するのは韓国SKイノベーション社とフォードが設立する合弁会社である。直接韓国から輸入するのではなく米国内で製造するのは、LCA(ライフサイクル・アセスメント)による二酸化炭素排出量の管理、さらにバイデン大統領における「アメリカ・ファースト」すなわち輸入品に頼らないという経済政策によるものだ。

先進運転支援技術も満載で、アメリカとカナダに渡る(※高精度地図が用意された)計16万キロメートルのハイウェイと自動車専用道路上では、レベル3相当の自動運転を可能にするという。

もうひとつのハイライトは、オンボード・ウエイト・メジャリング・デバイス(重量計)を装備していることで、シャーシに備わるセンサーによって積載量を自動的に算出する。また、巨大なV8あるいはV6エンジンが消えたフロントには「フランク:Frunk(Front-Trunk)」と名付けられたトランクが出現、その容量は400リッターあるいは180kgの荷物を搭載することができる。

インテリアではドライバー正面に12インチのデジタルスクリーンが配置され、AIを介した音声操作も可能。ダッシュボード中央にはテスラ風に15.5インチの大型タッチスクリーンが配置され、クラウドナビやアップルカープレイ、アンドロイドオート、アマゾンアレクサなどに接続できる。スマホをキーとして登録することも可能だ。さらにOSはOTA(無線経由)でアップデートされる。

また、F150ライトニングはパワーステーションとして、作業場などで電動工具を使えるだけでなく、家庭用電源のバックアップとして使用することもできる。つまりスマートグリッドとして通常は家庭電源から充電するが、停電の時にはバックアップに9.5kWまでのピークエネルギーを3日間に渡って供給することができる。アメリカではハリケーンや竜巻、豪雪などの天災による停電がしばしば発生して大きな問題となる。そんな時にF150ライトニングが助けとなるのは間違いない。

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