558ps/620Nmを放つ4座アストン、ラピードS
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:アストンマーティン
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もちろんラピードS、ラピードから変わったのはスタイリングだけではない。まずエンジンの実力がアップされた。基本は他のモデルとも共通する排気量6リッターのDOHC4バルブV12だが、パワーはラピードの477ps/6000rpmから558ps/6750rpmへ、トルクは600Nm/5000rpmから620Nm/5500rpmへと、いずれも大きくアップしている。
フロントグリルの拡大によってエアインテーク面積が広がり、冷却機の流入量が増えたのも、パワーアップの一因として貢献しているという。その一方で、トランスミッションはトランスアクスル配置のZF6段AT、タッチトロニックIIと、基本は変わっていない。
しかもそれでいて、車重はラピードの2065kgから1990kgへと軽量化されているから、当然ながら動力性能は明確に向上した。例えば、0-100km/h加速はラピードの5.2秒から4.9秒に短縮されるとともに、最高速も295km/hから306km/hへと、10km/h以上も伸びている。と同時にCO2排出量も355g/kmから332g/kmへと確実に減少した。
エンジンに関しては、もうひとつトピックがある。エンジン搭載位置がラピードより19mm低められたのだ。これによって、ハンドリングに好ましい影響を与えるのに加えて、歩行者安全に関しても望ましい結果をもたらす。さらに歩行者クラッシュに対しては、アルミ製のグリルメッシュの取り付け部分が柔軟な構造になっていて、イザとなった場合にはメッシュ全体が後方に移動して、歩行者の衝撃を和らげるのだという。
さて、試乗の舞台はバルセロナから内陸に上がったカタルーニャ地方の山間部で、テストルートはそこのワインディングロードがメインだった。そこでまずは黒いボディに同じく黒の、しかし赤いステッチがスポーティな雰囲気を漂わせるインテリアを持つ1台に乗り込む。試乗車は全車、20インチのBSポテンザS001を履いていた。
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